お知らせ

深部静脈血栓症に注意!

聞きなれない言葉かもわかりませんが、長時間の航空機でおこる事があるエコノミー症候群、地震、洪水などで避難先の施設で生ずる事が報道される事がある病気の状態と同じものです。

この病気にかかられている方を当院では最近よく拝見します。原因は活動性の低下した高齢者の方や、癌、骨折などの外傷、ほぼ寝たきりの方が増加している事が考えられます。(肥満、メタボ、喫煙、高血圧、脂肪の蓄積などこれらの修正が可能な方の発症するリスクも高いですが) 深部静脈血栓症は、人間の出血に対して、それに対する止血、凝固という機序のいずれかの異常により血栓(いわゆる血のかたまり)が静脈系に作られる事です。

そしてそれがなぜこわいかというと、血栓がその部位から分離して、大静脈に流れ込み、心臓に到達します。そして心臓の右側の部屋(右房→右室)を通過し肺動脈という血管に流れ、そこでその肺動脈のどこかの部位を閉塞する肺血栓塞栓症という命にかかわる重大な病態を重じる事です。

当院では在宅で療養中の方にかぎらず、通院してこられる方にもこの病態をしばしば拝見し、危惧しているところです。四肢を動かす事が少ない、ベットなどで横になっている時間が長い事などが、静脈の停滞をまねき、発症のリスクを高めていると考えています。したがって予防するにはできる範囲で毎日四肢を動かし、坐位でいる時間などを少なくするようにして下さい。

弾力性ストッキングの着用(暑い、きゅうくつなどの理由でやめられる方も多いですが)、横になる時は足(下肢)を体幹より高くする事も有効です。発症しているかどうかは、触診、エコー、血液検査でほとんどわかります。また治療法も確立しています。

足のむくみの左右差も要注意です。思い当たる方、心配な方は早めに受診して下さい。 診察、ご指導、加減致します。

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