お知らせ

糖尿病のよく知られていない合併症とは!

糖尿病患者さんは約950万人、それに近い病態の予備軍と言われている方は約1100万人、両方合わせて約2000万人の方が現在のわが国におられます。病状の軽い方は放っておかれる事が多く、何年か先に合併症で苦しまれる事が多くなります。糖尿病にはよく知られている三代合併症という病態があります。

@糖尿病性網膜症(緑内障についで2番目に後天的な失明の原因となる)
A糖尿病性腎症(維持人工透析の原因の一番です)
B糖尿病性神経症(感覚などの障害により重篤な感染症などを併発)

しかしその他にも糖尿病との関連が指摘されている合併症があります。それを紹介します。

A
うつ病
糖尿病におけるうつ病の合併が多いことは複数の研究で指摘されており、ある報告では、糖尿病の患者さんの約18%が合併しているとされています。
B
歯周病
歯周病は中高年の方が歯を喪失する最大の原因です。 糖尿病患者さんの歯周病有病率は健常者より有意に高い事がわかっており、また逆に歯周病が糖尿病の発症や血糖の管理に影響を及ぼす事についても多くの報告があります。また歯周病の治療によって血糖のコントロールが改善する可能性も示唆されています。 したがって歯周病を認めた際には、しっかりと治療をして下さい。
C
糖尿病患者さんの癌の発生リスクは糖尿病でない方にくらべて高いことが指摘されています。男性では、肝癌、膵癌、腎癌、結腸癌が、女性では胃癌、肝癌を発症される方が多いとされています。
D
骨折
一般に骨粗相症は骨量の減少に基づいて診断されますが、そもそも骨の強度は骨量と骨質の二つの要因からなります。糖尿病はこのうち骨量ではなく骨質の劣化が関与していると考えられています。骨折には、それとともに、網膜症による視力低下、神経障害による足の知覚鈍麻、自律神経障害による起立性低血圧などの糖尿病に関連した多岐の要素が転倒及び骨折に関与していると考えられています。
E
認知症
糖尿病の患者さんはアルツハイマー型認知症、脳卒中後におこる脳血管性認知症の発症が健常者の2〜3倍であると報告されています。 したがって、血糖のコントロールを良好にする事が望ましいですが、逆に厳格にして低血糖をおこすとその頻度が高いほど、認知症発生のリスクが高まる事も報告されています。 穏やかで良好なコントロールが望ましいと考えられます。

その他にも糖尿合併症はあります。要するに糖尿病は非常に怖い病気です。早めに治療をして下さい。ご来院下さい。ご指導、治療を致します。

お知らせの一覧を見る