お知らせ
急性上気道炎(かぜ症候群)で来院される患者さんへ!
急性上気道炎は成人では1年に3〜4回罹患するとされています。原因の殆どがウィルス感染によるもので、発熱、咳、痰、鼻汁、喉の痛みなどの症状を呈します。ここで知っておいていただきたいのは、かぜは自然に治るものであり、かぜ薬でウイルス感染そのものを治すものではないという事です。
すなわちインフルエンザウイルス以外では有効なウイルスを殺す薬はありません。したがって、上記にあげた症状のある方はつらいでしょうが次に記載する事を知っておいて下さい。
- かぜ症候群の自然経過は5〜14日間ですが、一般的には3〜7日間で軽快します。
- 抗生物質は、かぜには直接効くものではなく、頻回に服用すると副作用や耐性菌の出現がみられます。
- かぜ薬は、症状をやわらげるために用いるものであり、対象療法の治療薬となります。
- 発熱は、体がウイルスと戦っている免疫反応であり、ウイルスが増殖しにくい環境を作っているものです。したがって原則として症状が強い場合にのみ、解熱・鎮痛剤を服用して下さい。
- 発症予防として、うがい、手洗いを日々習慣づけて下さい。
また、上記症状にも関係しますが、咳がつらくとめてほしいといわれる患者さん(子供さんが発熱を伴って発病された場合に多い)が多くいます。これについて説明します。咳は喀痰を伴わない乾性の咳と喀痰をを伴う湿性の咳があります。乾性の咳に対しては咳を止める薬(鎮咳薬)を服用するのはそれほど問題ないと考えます。しかし湿性の咳では咳反射で痰などを出す事が防御反応としておこなわれているので、原則として鎮咳薬は服用していただきません。そして咳を止める助けとなる去痰薬を服用していただきます。しかし、咳が激しく不眠や体力の消耗につながると私達診察した医師が判断した場合には鎮咳薬を服用していただきます。(短期間の限定した服用)ここのところをよく御理解下さい。
したがって、上記の事を留意され、免疫機能を高める、安静・栄養をとるという事を忘れずにおこなっていただく事が大切と考えます。