お知らせ

CKDを知っていますか？

CKDとは慢性腎臓病の事です。現在わが国に約1,300万人の方が罹患されていると推定されています。すなわち20歳以上の約8人に１人の方がCKDになっている事になります。

原因は腎臓の病気の方はもちろんおられますが、それよりも糖尿病、高血圧、肥満症などの方が罹患される事が多くなっています。CKDの恐い事は、それが進行して末期の腎不全（維持人工透析を必要とする）に至るまでに心臓・脳血管障害を発症されなくなる方が多い事にあります。それではCKDを早期に発見するには何がいいのでしょうか？それは検尿されることだと考えます。検尿により、尿中に蛋白が出ている場合はCKDに進行している事が多く、また蛋白量が増加する事は腎不全へのリスクが増加している事を意味します。また、心臓・脳血管障害の発症リスクも同時にふえます。血尿も腎不全のリスクです。しかし、蛋白尿に比較するとそのリスクは低いですが、両者を伴っている場合はリスクは蛋白尿単独の時よりも増加します。

それではCKDの進展・発症原因は何でしょうか。多くの事が関与しますが、生活習慣としてはアルコールの中等量以上の摂取、短時間睡眠、睡眠時無呼吸症候群、喫煙、高尿酸血症、メタボなどが考えられます。

糖尿病の方は低血糖をさけ良好なコントロールをめざして下さい。高血圧症の方は、減塩をできるだけおこない、血圧のコントロールを薬の種類も含め私達医師と相談しておこなって下さい。脂質異常症（高脂血症）の方は糖尿病、高血圧の方と同様にCKDの進行を抑制し、心臓・脳血管障害の発症を抑制するために、そのコントロールをおこなって下さい。メタボの方は体重減少量と、それによる内臓脂肪組織の減少がCKDの進行を抑制する可能性があり推奨されています。腎臓の病気が原疾患である方は、多彩な治療、経過観察などを含め慎重な管理が必要です。

いずれにしろ、CKDはごく早期でない限り完全な治癒は望めません。したがって私達医師と一緒にその進行の抑制、合併症の発症阻止をめざして加療して下さい。診察においで下さい。進行具合を勘案しながらご指導、加療致します。