お知らせ
高血圧はいつから治療するの?
高血圧症の診断は診察室では収縮期血圧(上の血圧)140mmHgかつ/または拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上とします。(家庭での血圧では135/85mmHg以上とされています)しかし、そうであってもすぐに治療を必要とする人と、そうでない人があります。なぜなら高血圧は脳卒中、心不全を始めとする心血管病の大きな危険因子(リスク)ですが、その他にも心血管病のリスクとなるものは数多くあります。したがってリスクとなるものを多くもっている方あるいはすでに臓器の障害を生じている方は早く治療する必要がありますし、そうでない方はリスクを生活習慣の是正などで少なくできるかどうか一定期間の猶予をもって見きわめ、治療するかどうか決めましょうという事になります。(もちろん、その場合140/90mmHg未満に血圧が下降している事が経過観察(治療をしない)の前提になりますが)
上記をふまえ治療方針を説明します。(何がリスク因子か、臓器障害になっているかは長くなりますので受診時に説明します)
- Ⅰ度高血圧症(140〜159/90〜99mmHg)
低リスクの方: 3ヶ月経過しても血圧が140/90mmHg以上ある方は治療を開始 中等リスクの方: 1ヶ月経過しても血圧が140/90mmHg以上ある方は治療を開始 高リスクの方: 直ちに治療を開始 - Ⅱ度高血圧症(160〜179/100〜109mmHg)
Ⅱ度高血圧症の方は、それ自体が中等リスクとなりますので治療開始の時期は前述の中等リスク・高リスクと同じです。 - Ⅲ度高血圧症(180以上/110以上mmHg)
Ⅲ度高血圧症の方は、それ自体高リスクとなりますので直ちに治療を開始します。
以上ですが、要は高血圧の治療の目的はその持続によってもたらされる心血管病の発症・進展・再発を抑制し、死亡を減少させることであり、高血圧症の患者さんが、健康な方と変わらぬ日常生活を送ることができるように私達医師がお手伝いする事にあります。前述のように治療するかどうかは別にして受診し、御相談下さい。