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食中毒に注意する季節ですよ!

食中毒いわゆる感染性腸炎はウイルス、細菌がその原因となっている事が多く、(その他に寄生虫、真菌などもありますが)一年を通して発生します。しかしウイルスによるものは冬期に発生する事が多く、(ノロウイルス、ロタウイルスなど)細菌によるものは春〜秋(特に夏期)に発生する事が多いとされています。ここでは今の季節を考慮して細菌性食中毒について説明します。細菌性食中毒をおこす主要な病原菌は、わが国では、カンピロバクター、サルモネラ、下痢原性大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、セレウス菌(嘔吐型)などとされています。そしてその原因は鶏肉、鶏卵、牛肉を生あるいは調理時に加熱が不十分なものを摂取する事で発症する事が多く認められます。イヌ、ネコなどのペットとの接触、自然水でも発症する事があります。腸炎ビブリオは魚介類により、黄色ブドウ球菌は細菌によって産生された毒素によって発症します。症状の出現するまでの時間(潜伏期)は、短いものから長いものまであり、最も短いもので黄色いブドウ球菌やセレウス菌によるもので約1〜6時間で発症します。長いものは下痢原性大腸菌で4〜8日間の潜伏期で発症します。つまり少し前に食べたりしたものが原因となっていない事が多いのです。
そして発症時の症状は、ご存知のように、嘔吐、下痢(水様便から血便まであります)、腹痛、発熱などです。

治療は対象療法が中心となります。つまり細菌性食中毒であっても腸管は自然治癒傾向があるため、抗菌薬の投与は必ずしも必要ではありません。しかし発症時の症状、発症された方に出現する合併症のリスク、あるいは他人への二次感染の防止などのため抗菌薬を投与する事はあります。
ただ下痢止めは腸間内容物の停滞時間を延長し、毒素の吸収を助ける可能性があり原則として投与致しません。
また腹痛を止める薬も腸間の運動を抑制しますので同様にできるだけ投与せず我慢していただきます。
治癒期間はおおむね3〜5日間です。
上記をご留意の上、今からの季節、食品および調理などに気をつけていただけたらと思います。

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