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慢性疲労症候群を知っていますか?

暑い日々が続き、それによる疲労・倦怠感などがでてくる時期ですね。今回紹介するのは、これらの生理的な原因でおこり、休養などで回復するものではない病態の事です。慢性疲労症候群(以下CFSとします)は、理解度が我々医療機関も少なく、そのために的確な診断を受けられず苦しんでおられる患者さんが多い病態です。我が国でも約40万人ぐらいの方がおられるとの報告がありますが、診断が的確にされればもっと多くの患者さんがCFSになられていると思われます。
CFSはこれまで健康に生活していた方が感染症などに罹患したことなどをきっかけに以下のような自・他覚的な症状・所見を認めるようになります。
(1)労作後疲労感(休んでも24時間以上続く)、(2)筋肉痛、(3)多発性関節痛(腫れはない)、(4)頭痛、(5)咽頭痛、(6)睡眠障害、(7)思考力・集中力低下、(8)微熱、(9)頚部リンパ節膨張、(10)筋力低下
以上は慢性疲労の原因が不明で、また下記を満たすことも必要です。

(1)この全身倦怠感は新しく発症したものであり、また発症の時期が明確です。
(2)十分な休養をとっても回復しません。
(3)現在おこなっている仕事や生活習慣のせいではありません。
(4)疲労や倦怠の程度は、疲労感のため、月の数日は社会生活や仕事ができず休んでいる。
以上の事をいいます。

上記の症状が6ヶ月以上続くか再発をくり返す場合に診断しますが、器質的な病気をお持ちの方にも同様な症状が出現する事がありますので、これらの病気を除外する事は必要ですし、当然おこないます。
そして必要な検査、補助的な検査(重症度評価の検査であり、やや専門的な検査になり、総合病院でおこなっていただくようになるかもわかりません)もおこない最終的な診断をさせていただくという事になります。
病因は、明らかになっていませんが、体の中の種々の免疫を担当する物質によっておこされた、脳の機能障害であるのではないか。そして重症な場合は、脳内に炎症という器質的な変化もあるのではないかなどの説があります。治療法は患者さんの症状の種類・重症の度合いによって慎重におこないます。前述した症状のある方で苦しみの方は一度御相談下さい。

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