お知らせ

血清尿酸値異常を指摘されている方へ

健康診断などで上記を指摘され、そして治療を勧められている方は多いと思われます。
それは尿酸値の異常がいろいろな病気と関連している事が明らかになってきているからです。尿酸高値は、痛風、腎臓病、高血圧症、心血管病と関連しており、逆に尿酸低値は、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経疾患や癌の進行と関連する事が報告されています。簡単に説明します。

尿酸高値

  • 腎臓病・・・腎臓の機能の低下から末期腎不全への進行のリスクになると多くの報告でされており、尿酸を低下させる薬の服用によって、腎機能の低下が抑制されたとする報告も多くあります。
  • 高血圧症・・・尿酸高値は発症のリスクを高め、1mg/dl(血液中)の上昇で13%発症リスクが上昇するとされています。また腎臓病同様に尿酸低下薬の服用によって血圧の低下を認めたとする報告もあります。
  • 心血管病・・・尿酸高値は心血管病発症の独立したリスクとなるとする報告が多くあります。たとえば冠動脈疾患(狭心症)のリスクとなり、尿酸低下薬がこの出現を抑制したことから新たな治療薬としての可能性が期待されています。また心不全と尿酸高値が高頻度に合併し、心不全発症のリスクとなりまた予後の悪化と関連することも示唆されています。また心房細動という不整脈の発症のリスクになる事も報告されています。
  • 疼痛・・・よくご存知の尿酸塩の沈着による強い痛みを伴う関節炎であり、説明はいらないと思います。

尿酸低値

  • アルツハイマー病 、癌・・・一般の人を対象にした研究で、痛風のある人はない人にくらべその発症が有意に低かったとする報告がなされており、要は強力な抗酸化作用(主として動脈硬化などを抑制する作用の事です)をもっている尿酸の低下が知能や長寿に悪影響を与えると考えられています。
  • 多発硬化症、パーキンソン病・・・上記の機序と同様に抗酸化作用の減弱を介してこれらの神経疾患に関連すると強く推測されています。

要は生活習慣病などをおもちの方は、血清尿酸値を6.0mg/dl以下に保ち(低下させすぎずに)病気の発症・進行を防ぎましょうという事です。尿酸と軽く思われずに注意して下さい。

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