お知らせ

むくみで悩まれている方へ

むくみ(浮腫)は、健康人でも長時間ほとんど動かずに立位や坐位で仕事などをしていると、夕刻に足がむくんでくる生理的な浮腫という現象がありますが、要は皮膚の下の組織の間に過剰な水分が貯留した状態です。そのため組織の間の構造に間隔をつくりやすい、下腿や足の背部、眼ぶたなどがむくみやすくなります。そして眼ぶたが重い、はれぼったい手足がだるい、はれぼったい、物が握りにくい、靴がはきにくくなったなどの症状を訴えられます。
浮腫は全身に出現するものと、体の局所に出現するものがあり、また拇指で強く押し、そして離した後にあとが残る いわゆる圧痕性浮腫と、あとが残らずに回復する非圧痕性浮腫に分けられます。

全身性に出現し圧痕性の浮腫を呈するものは下記のようなものがあります。
腎臓の機能の低下、腎臓の炎症、肝臓の機能の低下(肝硬変症)、心不全、栄養障害(アルブミンの低下)、薬物の服用、妊娠に伴う浮腫、特発性浮腫(後で説明します)などがあります。
全身性に出現し非圧痕性の浮腫を呈するものとして、甲状腺の機能低下症がよく知られています。
局所性に出現し圧痕性の浮腫を呈するものは静脈がはれたり、皮膚の色がかわることがある静脈瘤、静脈血栓症などがあり、押さえて痛い場合、その部位の皮下、血管の炎症をおこしている場合があります。
局所性に出現し、非圧痕性の浮腫には乳がん、子宮がんなどの手術後や放射線療法後にみられるリンパ浮腫がよく知られています。
上記にあげた浮腫の治療は、必要な検査をおこない、しっかりとした診断をし、そしてその病気の病態に応じた治療が必要となります。したがって我々医師を受診して下さい。

次に先ほど記述した特発性浮腫について説明します。この浮腫は聞かれた方はあるかと思いますが、周期的にまた時々出現する全身性の浮腫であり、両下肢の他、顔や手にもしばしば出現し、立位で浮腫は増悪し、典型的には朝・夕の大きな体重変動をきたします。閉経前、特に20〜30代の女性に好発し、男性に出現することはまれです。加えて約80%の方に不安やうつ傾向などの精神・感情障害を認めるともいわれています。(容姿や体重を気にする傾向も重いです)
治療は心理的な介入を含めた治療が必要となります。むやみに浮腫をとりたいために利尿剤などを服用してもよくならず、病気で悩まれる期間を長くします。ご承知下さい。

以上むくみで悩まれている方は、まよわず我々医師に御相談下さい。

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