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心電図でわかる事

心電図は、我々循環器の専門医は日常診療でしばしば検査のため実施しますが、その他色々な検診などでおこなわれています。そしてこの1枚の心電図より少からず異常を認める事があり、慎重な心電図の説影をおこなっています。たとえば検診においてはそれにより心臓の肥大、不整脈(経過を観察してよいものからペースメーカーの植込みを必要とするものなど)、などを診断し、診療の場面も含めると、症状と合わせ、狭心症、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)などを疑い、急性心筋梗塞と診断し、緊急な加療をおこなったり、加療のできる施設(病院)に搬送したりする事はしばしばあります。心臓に関しては、その他色々な病気を患ったり診断する事ができますが、心電図には心臓が原因でない病気に関しても異常を呈する事がしばしばあります。たとえば脳血管障害では特に急性期においては、脳内出血では約70%、脳梗塞では約15%の異常を認めたとの報告もあります。(くも膜下出血において一番異常の頻度が多く出現するとされていますが)また塩分などのいわゆる電解質といわれているものの異常も心電図変化を生じやすく、それにより重篤な不整脈の出現を認める事があり、心電図を実施する事によって電解質の異常に気付く事も時にあります。あるいは肺が原因でおこる気胸も胸痛を訴えられる事が多いですが、心電図を実施する事によって、それを疑い胸部のX線写真を取る事で診断がつく事もままあります。
その他心臓をおおっている心膜の炎症、心臓の周囲に液体が貯留する心膜液の貯留、胸水、手足のむくみなども推定する事ができ、さらには胸の変形たとえば漏斗胸によるための心電図変化だとわかる事もよくあります。このように心電図を施行される事は非常に大切です。症状がある場合はもちろん無自覚でおられる場合でも少くとも1年に1度は施行される事をお勧めします。特に説影に自信を持っているわれわれ専門医の所での施行をお勧めします。

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