お知らせ

血圧の変動には注意して下さい

血圧の変動はそのタイプにより、超短期血圧変動性(いわゆる一拍ごとの血圧変動)、短期血圧変動(24時間自由行動下で15〜30分毎に測定した血圧変動)、中期血圧変動(家庭血圧測定上の日間変動、DDV)、長期血圧変動(医療機関への受診日間血圧変動、VVV) に分類されます。前二者は運動・睡眠・姿勢などの刺激に対して恒常性を維持するために、神経反射、体内のホルモンの分泌の変化などにより生じます。一方後二者は、日々の行動様式の違い、気候、処方される薬の量、内服を忘れずにされているかなどにより生じるとされています。これらをなぜ今回説明するかというと、これらが増大する事により心臓・脳血管障害、腎機能障害などの臓器障害を増悪させるからです。たとえば皆さんがよくおこなっておられるDDVの増大は心臓の肥大や心不全の原因およびリスクとなり、また腎機能の低下の予測因子になると報告されており、さらには死に到る脳卒中や総死亡の独立した危険因子になると報告されています。またVVVの増大は心肥大・心不全や高血圧による腎機能障害、また糖尿病による腎機能障害の発症のriskとなり、DDV同様に脳卒中、心筋梗塞などの冠状動脈疾患や総死亡の独立した危険因子とされています。さらにVVVの増大は高齢者の認知機能の低下や心臓血管障害のリスクの高い中年者の認知機能低下と相関すると報告されており、認知機能に関係する脳の海馬の萎縮が強いとも報告されています。それではこの血圧の変動をある程度おさえるにはどうすればよいかということになります。難しい問題ですが、冒頭で記載した変動要因をできる事は適正にし、なおかつ服用薬を血圧の変動を少くされているといわれている薬に変更するなどがあります。いづれにしても一人一人に対応した対処が必要です。当院ではDDV、VVVを参考にしながら血圧のコントロールを行うようにしています。困った事があれば御相談下さい。

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