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認知症予防には運動は大事ですよ

超高齢化社会を進むわが国が抱える大きな問題に認知症がある事は、よくご存知だと思います。2015年現在65歳以上の方の認知症の有病率は15%とも推計されています。
この軽度認知機能障害(MCI、認知症ではないが、軽度の認知機能の低下が認められ、認知症の前駆段階とされています)から認知症移行を含めた認知症発症を抑制するためには、認知症発症の危険因子と保護因子を知っておく必要があります。危険因子としては代表的に挙げられるのが遺伝的要因、血管の危険因子(高血圧、糖尿病、脂質の異常、肥満など)、老年症候群(うつ、閉じこもりなど)などがあります。一方保護因子としては、高等教育を受けた方、適切な栄養摂取、血管の危険因子の治療、適切な生活習慣(身体活動、知的活動など)などが挙げられます。ここで重要なのは栄養や運動などの可変的な生活習慣が含まれているという点であり、それを見直すことで認知症発症の予防や遷延化が図れる可能性があるという事です。
つまり認知機能低下に対する非薬物療法である運動(身体活動)の効果が期待されているのです。これまでに健常な高齢者及びMCIの方に対して運動をおこなった試験ではおおむね認知機能の向上効果(注意機能、遂行する機能、記憶力の改善など全般的な認知機能の向上)が認められています。運動の内容としてはレジスタンス運動、有酸素運動、それらを複合した運動などがありますが、内容には依存しなく身体の活動量を高める事に効果があると解釈されているようです。
具体的には週に150分以上のややきついと感じる強度のやや速めのウォーキングやジョギングにより、認知症の発症が抑制される事が示唆されています。そしてこれらの運動習慣の定着が大事とされています。また運動機能の低下が認知機能の低下を招くことも示唆されており、これらの事を考えると、できれば永続的に運動を継続する事が重要なのです。御自分の今後のために頑張って下さい。

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