お知らせ

コレステロールの異常に高い方へ

時々、診療時、上記の患者さんを拝見する事があります。これらの患者さんは単に食事療法を始めとする生活習慣の改善を行っても、コレステロール(特にLDL-コレステロール)低下は不充分で、早期より強力な薬物療法を必要とする家族性高コレステロール血症(FH)の方が多いのです。FHとは成人では下記により診断されます。

  1. 高LDL-C血症(未治療時のLDL-Cが180mg/dl以上)
  2. 腱黄色腫(手背、肘、膝などの腱に黄色腫があるかあるいはアキレス腱肥厚)
    または皮膚の結節性黄色腫
  3. FHあるいは早発性(男性55歳未満、女性65歳未満)冠動脈疾患の家族歴(二親等以内の血族)

上記はヘテロ接合体のFHと診断され常染色体優性遺伝性疾患であり我が国では約500人に1人の割合で存在し、全体では約30万人の患者さんがいるとされています。そして単独で極めて冠動脈疾患のリスクが高く、未治療の男性では30〜50歳、女性で50〜70歳の間に心筋梗塞、狭心症などを発症する事が多く、死因も60%は上記冠動脈の疾患によるとされています。しかし薬物に対する反応がよいなどのため、単に高LDL-C血症として治療されている可能性が高く、また患者さんも自覚症状がない事もあり放置している可能性があるとされていまます。したがって検診、ドックなどでLDL-Cの異常高値を指摘された場合、我々医療機関を受診する事が非常に大切です。留意して下さい。


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