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インフルエンザに流行のきざしが・・・。

今年もインフルエンザの流行のきざしが見え始めました。現在検出されているインフルエンザウイルスはいまだ少数ですがその多くが、2009年〜10年に出現し、大流行したA/H1N1pdmと呼ばれるウイルスのようです。A/H1N1pdmはA/H3N2(A香港型)にくらべてインフルエンザワクチンによる発症の予防効果は高い事が報告されています。(日本臨床内科医会による)また重症化予防もA型であれ、B型であり期待されます。したがって摂取不適当な人(明らかな発熱(通常37.5℃以上)を呈する人、重篤な急性疾患にかかっている人、ワクチンの成分によってショックなどを起こした人など)を除いてすべての人が任意摂取を考慮されたらよいとされています。なおB型インフルエンザも発症はします。従来B型に対するワクチンの有効性は低いと考えられていましたが、2015年にワクチンが3価から4価に変更され、一定の有効性は認められています。インフルエンザを不幸にして発症した場合、経口薬、吸入薬にしろ平均の解熱時間(投与開始から37.5℃を切るまでの時間)はA型で20〜30時間、B型で30数時間〜40時間前後であり、早急な治療が望まれます。
また一時2008年〜2009年当時に認められたタミフルに耐性化したH1N1ソ連型は現在消失しており、どの薬剤で加療されても上述のように有効率に差はほとんどありません。
なお、加療開始後、37.5℃未満に解熱したが24時間経過以降に再度発熱した場合は二峰性の発熱とし、二峰性ではないが加療開始後72時間以上発熱が続く場合を遷延性の発熱と呼び、15才以下の小児のほうが16歳以上の成人よりも多く見られる傾向にあり、これはウイルスの残存率が高いためとされ、B型で多いとされています。
感染に対する予防としては、流行に家庭内感染が大きな役割を来たしており、約30%にみられます。これを低下させるためには、発端者への早期の治療と隔離など他の家族への接触機会を減らすことが重要です。また患者さんへのマスク着用には一定の効果があることがわかっています。患者さん以外の家族へのマスクの着用、うがい、手洗いの効果については評価は定まっていません。
また小学校、幼稚園、保育園などでは感染が短期間のうちに拡がり、学校内感染が大きな役割を果たしています。これは患者さんの出席停止や学級閉鎖、休校が感染拡大に有効です。また高齢者の人ではインフルエンザ流行の際に、肺炎合併などにより死亡者がみられることがあり、高齢者施設での入居者及び介護などで入居者と接触する機会がある職員の方へのワクチン接種はどこの施設でもされていると思いますが対策の基本となります。高齢者の合併症としての肺炎に対する予防対策としては、起炎菌として頻度の高い肺炎球菌に対するワクチン接種がその効果が確認されており、その接種が勧められます。
以上簡単に説明しましたが、A型インフルエンザ流行の中央日は平均で1月30日前後でありワクチン接種によりまだ充分に間に合います。摂取をお勧めします。(当院でもまだ在庫はあります)

 

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