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その疲労感(倦怠感)は器質的なもの?

われわれ医師を受診される患者さんの約25%は疲労感(倦怠感)を訴えられるといわれています。疲労感の原因は生理的な疲労を除き、器質的な疾患、非器質的な疾患に分けることができます。器質的疾患によるものは多岐にわたり15%の患者さんで診断できるにすぎないとされています。その主なものは、治療薬による副作用、感染症、貧血、糖尿病、甲状腺の疾患、睡眠障害、悪性の疾患(うつ病、アルコール依存)などがあります。しかし器質的疾患によるものかどうかわからない事も多いと思います。
そこで器質的疾患によるものか、非器質的疾患によるものかのおおまかな鑑別点をここでは説明します。

器質的疾患による疲労感(倦怠感)の場合

@疲労感が起床時に改善し、その後悪化する傾向がある

A比較的急性に発症し(原因となる疾患の進行の程度に疲労感が並行する)、その持続期間が4週間未満のときは器質的疾患による可能性が高い(約70%)

B疲労感が睡眠後に改善する事が多い

C発症した時期が、器質的疾患の発症した時期と一致する

D器質的疾患の進行度に比例して悪化する

非器質的疾患による疲労感(倦怠感)の場合

@疲労感が起床時に最も悪く、その後改善する傾向がある

A比較的慢性の経過をたどり、その持続期間が4ヶ月間以上のときには、非器質的疾患による可能性が高い(約75%)

B疲労感は睡眠後も改善しない

C発症の時期は、ストレスや精神的混乱、精神的葛藤の時期に一致する

D進行の仕方は改善したり悪化したりと変動する事が多い

(以上簡潔に要点の一部を記載しましたが)上記により特に器質的疾患によると思われた方は、医師による診察をお勧めします。

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