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アスピリンは大腸癌の発生を予防する!

大腸癌は、わが国において男女ともその発生は年々増加しています。したがってこの発癌に対する対策を行うことは急務です。その対策として発癌を予防する一次予防と検診などにより早期発見・治療をすることで癌死を予防する二次予防があります。羅患率を低下させるには一次予防をおこなう必要があります。大腸癌の一次予防には、節酒や禁煙、食生活の改善、運動などの生活習慣変容、前癌病変である腺腫摘除、そしてアスピリン、スリンダク、カルシウム、緑茶摘出物の投与(現在研究中)などの化学予防などがあります。ここで現在先制医療として実現すると考えられているのがアスピリンの投与なのです。アスピリンの投与が大腸癌の発生を抑制する事は多くの研究で報告されており、またその前癌病変である腺腫の発生も抑制する事も報告されており、アスピリンの投与が大腸癌の発生を抑制する事はほぼ確実とされています。しかしアスピリンによる大腸癌予防効果は色々な要因により変動すると考えられています。たとえば、非喫煙者(禁煙者を含む)では強力にアスピリンは大腸癌の発生を抑制しますが、喫煙者の場合はその発生を逆に促進すると報告されています。また大量飲酒者ではアスピリンの効果は弱くなり、男性より女性、高齢者より若年者でアスピリンの抑制効果は強い傾向がみられます。したがって環境要因や遺伝子を検査・把握し、それらの情報からアスピリンを効果的に投与できる人達を限定する必要があります。これらの事を明らかにするための研究がおこなわれており、アスピリンの先制医療が実現できる日は遠くないと考えられています。先制医療は期待できる分野ですよ!

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