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E型肝炎とは

E型肝炎を知っておられますか?E型肝炎ウイルスの感染により発症し、多くの場合は一過性の急性肝炎で終息しますが、免疫状態の低下した人(臓器移植後、HIV感染者など)においては慢性化することがあり、重症あるいは劇症化して予後が不良になることもある肝炎です。E型肝炎は以前は輸入感染症と理解されていたこともありますが、我が国でも土着化し、常在しているのです。またE型肝炎ウイルスはブタや野生イノシシ、シカ等の動物にも感染し、それらの肉や内臓を生あるいは加熱不十分な状態で摂食すると感染することがあるのです。
我が国においては中高年の男性で発症者が多く、この年代では重症化や劇症化が看過できない頻度で認められることも事実です。そして驚くことに急性ウイルス肝炎の届出件数においては(2017年度)E型肝炎がA型肝炎やB型肝炎、C型肝炎、その他のウイルス感染の中でトップの位置を占めているのです。(年間約15万人の人が感染し、約1500人前後の人が肝炎を発症していると推定されていますが、見逃しや見届け例が多く2017年度は303人の発症が届けられています)発症する人は北海道や東北、関東地方などの東日本に多いですが、全国的にも広く認められています。また上記した以外たとえば輸血による感染もあることがわかっており、したがって急性肝炎、急性肝障害、または原因不明の肝障害においてはE型肝炎の感染も念頭におかなければなりません。診断は急性肝炎の場合は血液検査でできますが、慢性化したE型肝炎を診断するのに必要な血液検査は医療保険ではできないのです。(この点が問題ですが)治療においても一過性の急性肝炎はよいのですが、慢性化した場合に有効な事が多いとされている薬も医療保険では現在のところ投与できません。(早く保険の適応になるとよいのですが)以上概略を説明しましたが、肝障害の中にはE型肝炎もあるという事は知っておいて下さい。

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