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飲酒により赤くなる人の知っておきたい事

飲酒により赤くなることをアルコールフラッシングと言います。アルコールはアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに分解され、さらにアセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)により酢酸まで分解されて無毒化されます。しかしALDH2の活性が低下しているとアセトアルデヒドが留まり、アセトアルデヒドの直接の作用などで血管が拡張し、顔が赤くなったり気分が悪くなったりするのです。アルデヒドは周囲の組織を酸化させ(酸化ストレス)これにより発癌や血管障害、老化現象や痛みも関与する炎症をひき起します。代表的なアルデヒドには、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒド、アルコール代謝で発生するアセトアルデヒド、タバコの煙にあるアクロレインをはじめ多くのアルデヒドがあります。したがってALDH2の活性がないか低下すると身体にアルデヒドの害が生じやすくなるのです。たとえば心臓においてはALDH2の活性が低い人は冠状動脈の攣縮(強い収縮)による狭心症、さらにはそれが原因で生じる心筋梗塞の頻度が高い事が報告されています。またこの場合梗塞後の障害も大きくなる事が報告されています。(これらを生じる機序は省略)またこの攣縮による狭心症の場合、タバコを吸う人はそのアルデヒドの害により発症しやすくなります。具体的にはALDH2の活性の低い人がお酒を飲み、喫煙する場合、その両者ともしない人にくらべ6.9倍も攣縮による狭心症の発生が高いと報告されています。つぎに発癌に目を向けると、タバコの煙など発癌性のあるアルデヒドにより、ALDH2の活性の低い人が、飲酒をし、喫煙をするとアルデヒドが体内に留まり、これではない人にくらべ食道癌(アルデヒド癌の代表といわれている)の発症リスクが189倍も高い事が報告されています。咽頭癌、喉頭癌もほぼ同様と考えられています。タバコの煙においては、主流煙より、先端から出る副流煙の方がアルデヒドの濃度が高く(ホルムアルデヒドでは50倍以上)したがって室内での喫煙(特にお酒を飲みながらの)における受動喫煙は害が発生しやすい環境だということがわかります。一方でアルコールフラッシングの人はその遺伝子の関係から原虫疾患やアメーバ赤痢にはかかりにくいと考えられています。最後にフラッシングの人にとってアルコールがいいのかどうかはわかっていません。参考にして下さい。

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