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新型タバコは安全か？

喫煙が肺癌、COPD、心筋梗塞の主要な原因である事はよく知られています。これらの疾患は受動喫煙においても同様に発症のリスクとなる事が知られています。されに心臓に関して言うなれば心房細動の発症（脳梗塞などの高いリスクとなる）、心不全による入院のリスクにもなるのです。では近年急速に普及している新型タバコといわれている電子タバコや加熱式タバコはどうでしょうか。これらは長期にわたる使用はないので健康被害の明確な証拠はありません。各々について考えていきましょう。電子タバコはプロピレングリコール、グリセロール、水、香料からなるアルコール系有機溶剤である液体を電熱源の発熱によりエアゾル（霧状）化し、それを吸引するものです。（わが国ではニコチンは含まれていない）さまざまなフレーバーの製品があり、そのフレーバーをつけるための化学物質は電子タバコに使用されると肺に細胞障害など種々の機序で毒性があるとされています。（英国内科学会ではニコチン入りの電子タバコは禁煙のための代替品として推奨しましたが。）
加熱式タバコは葉タバコを燃焼させずに加熱し、気化したニコチンを蒸気とともに吸煙するものです。この場合一酸化炭素はほとんど出なく、タール成分の発生も抑えられています。しかし重金属やホルムアルデヒドなどの発癌性物質の含有量は製品によって異なり、紙巻きタバコより少ないものから同程度のものもあると報告されています。米国は加熱式タバコが紙巻タバコより害が少ないという証拠が不十分とし（FDA）、加熱式タバコの販売は許可が下りていません。（加熱式タバコの製造国であるのに。）したがって新型タバコはまだ長期にわたって使用されていないので有毒性は確認はされていませんが、安全性には多々疑問が残ります。わが国において販売が増加しているのは憂慮すべき問題だと考えます。