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高血圧症の治療(将来のために)

高血圧症は収縮期血圧140以上あるいは拡張期血圧90以上であると診断されますが、現在我が国においてはそれに該当される人は約4000万人強とされています。しかしこのうち治療をされている人はその半分にも満たないことがわかっています。検診で高血圧を指摘されても青壮年で働きざかりの人は放っておかれ、定年を迎える頃に我々医療機関を受診され降圧治療を開始される事を多く見受けます。しかし、心血管疾患(CVD)のリスクの高い高齢者になってからの降圧治療はその絶対リスクは低下しますが、残余リスクがあり、正常血圧者と同じレベルまでそのリスクは低下しません。この残余リスクを決定する要因に高血圧歴の長さがあるからなのです。青壮年においては多くの場合CVDの絶対リスクは低いですが、高血圧者の場合、同年代の正常血圧者に比べてその相対リスクは高くなります。すなわち将来のCVDリスク(生涯リスク)を押しあげる要因となるのです。したがって将来の予防医学的な視点からいうと、青壮年(若年)の時からしっかり降圧治療を行うべきといわれています。現在家庭血圧計が普及しており(日本においては3000万台以上普及している)高血圧あるいは血圧が高めといわれた人は、それを用いて血圧を計る事は大切であり、治療への動機づけにもなります。また高血圧で治療されている人は、その早朝(起床時)の値が135/85未満(できれば130/-未満)を目標に達成できれば、CVDの発症が少なくなると報告されています。(夜間血圧が100/-未満になってもCVDの既応、超高齢者でない人にはほとんど心配はいらない事もわかっている)
したがって家庭血圧計などにより、血圧が高いと思われた人は、青壮年などの若年期に治療が必要です。当院では適切な相談をおこない、必要であればその時期に治療を開始します。

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