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生活習慣病の予防のための運動の効果
肥満、高血圧、脂質、糖の代謝異常を構成因子とするメタボリック症候群(Mets)などの生活習慣病の予防に対する運動・スポーツの可能性について考えてみると、種々の身体活動は、十分な活動量が確保されていればMetsの有病率低下に寄与する可能性が示唆されます。たとえば活動量の多い人のMetsの有病率が低い事は容易に理解できますが、運動の頻度(週5日以上の人と4日以下の人との比較)はMets有病率とは関連がなかったという研究報告があります。生活習慣病の予防段階にある若年の成人は時間的な余裕がなく、毎日運動を行うのは難しいことが多いですね。しかしこの人達は体力レベルが高いので必要な運動量を週末のスポーツなどでまとめて行うことが可能です。そしてこのようなライフスタイルがMets予防に寄与する可能性がある事をこの研究は示唆しているのです。しかし平均年齢60歳代の人の運動と死亡でのリスクの関連をみた別の研究では高血圧、高脂血症などの病気をすでに発症している人では、先述のまとめて行う身体活動では死亡のリスクは低下させなく、定期的に運動の効果をつみ重ねる事が脂肪のリスク低下に重要な可能性がある事を報告しています。したがってまとめて行う運動は病気がある人ではなく、病気の予防のために行うのが有効なのかもしれません。一方中〜高強度の身体活動を持続時間が10分以上と10分未満の人に分けてみると、Metsのリスク低下やその構成因子の改善に持続時間による差は認められなかったという報告があります。また同じエネルギー消費量でも高強度の運動が中強度よりMetsの有病率の低下は強かったとも報告されています。こららの事は十分な活動量が積算して確保されていれば、スポーツ活動も含め運動はMetsのリスクの低下が期待できることを示唆しています。したがって病気のある人には高強度の運動を行うことは当然の事ながら勧められませんが、病気のない若い人達には運動はむしろ高強度なものが挟み込まれるほど、より高いMets予防効果が期待できます。以上お好きなスポーツを含め運動をされる事を健康のためにお勧めします。