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IgG4関連疾患とは?

IgG4関連疾患(IgG4-RD)とは、涙腺、唾液腺、呼吸器、膵臓、胆道、腎臓後腹膜や時には下垂体、甲状腺、大動脈、冠状動脈、前立腺、皮膚などの全身の諸種臓器に病変をおこす日本より発信された疾患です。一般的にIgG4-RDは中高年の男性に多く発症するとされており2009年の全国調査では8000〜20000人の人が羅患後診断され治療を受けていると推定されています。(2009年以降は全国調査はされていない)症状は発症した臓器によりますが、IgG4-RD自体が単一または複数の臓器にびまん性あるいは限局性の腫大、肥厚、腫瘤、結節などを形成するため、それに伴う症状が多くみられるのです。たとえば膵臓では胆道に病変が及んだ場合は閉基性黄疸が、涙腺、唾液腺に病変が及んだ場合(ミクリクズ病)上眼瞼の腫張そして顎下腺部の腫張という典型的な顔貌を呈すことがあります。(家族などがこの場合気づくことが多い)呼吸器の病変の場合、気管の狭窄より気管支喘息様症状や、咳止めでもコントロールできない遷延性の咳嗽、重症の場合酸素濃度の低下により酸素療法を必要とすることもあります。血管病変においては(大)動脈瘤、(大)動脈周囲炎、冠状動脈瘤を形成し、瘤の破裂や虚血性心疾患などに急速に進行し致命的な結果を招くことがあります。治療はどの臓器においてもステロイドホルモンが著効しますが、中止による再燃が多いことも知られています。長期の予後については癌などの悪性疾患の合併が多いとの報告がありますが、いまだ明らかとはなっていません。IgG4-RDは希少な疾患であり、初期は自覚症状がない事が多く、人からの外見よりの指摘や健康診断などで異常を指摘される事が多いのです。
近年注目されている疾患ですので概略を説明しました。知っておいて下さい。

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