お知らせ
脂質異常症(高脂血症)の管理目標
動脈硬化性疾患の発症の予防のためには、そのリスクとなる高血圧、糖尿病、喫煙そして脂質異常症の管理・コントロールが重要です。そして脂質異常症は狭心症などの冠動脈疾患の発症の重要なリスクです。しかし医療機関を受診される人が少ないこと、あるいは治療を中途でやめられる人は、特に脂質異常症の人に多いと日々感じています。これは自覚症状がないこと(命にかかわる病気を発症するまで)や、医師などの充分な説明の不足によるものが多いことなどが考えられますが、今回脂質異常症に対する管理目標(生活習慣の是正、服薬などによる)を下記に示します。
危険因子の個数 | 男性 | 女性 | ||
40〜59歳 | 60〜74歳 | 40〜59歳 | 60〜74歳 | |
0個 | 低リスク | 中リスク | 低リスク | 中リスク |
1個 | 中リスク | 高リスク | 低リスク | 中リスク |
2個以上 | 高リスク | 高リスク | 中リスク | 高リスク |
治療(管理)方針 | 管理区分 | 脂質管理目標値(mg/dl) | ||
LDLコレステロール | 中性脂肪 | LDLコレステロール | ||
一次予防(病気を発症させないための予防) まず生活習慣の改善を行った後薬物の服薬を考慮する |
低リスク | <160 | <150 | |
中リスク | <140 | <150 | ||
高リスク | <120 | <150 | ||
二次予防(一度冠動脈疾患を発症した人の再発予防、生活習慣の是正とともに薬物の服薬を考慮する) | 冠動脈疾患の既応 | <100 ※(< 70) |
<150 |
※は家族性高コレステロール血症の人、不安定狭心症、心筋梗塞を発症した人(急性冠症候群)糖尿病以外のリスクを重複して保有している人
上記は2017年度の日本動脈硬化学会が発表した脂質異常症の人に対する管理目標です。LDLコレステロールが高いことが動脈硬化性疾患特に冠動脈疾患の発症に重大な影響を及ぼすことがわかります。そしてそれを低下させることが命にかかわる病気の発症の予防になることを多くの医学的な証明にもとづいて作成しています。脂質異常症の管理が重要なことを今一度真剣に考えて下さい。わからないことがあればいつでも受診して相談して下さい。お答えします。