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血管炎症候群

血管炎症候群といっても聞きなれない言葉でピンとしないと思います。私も最近それらしき人と出会いまた勉強しなおしたところです。(その人は結局違っていましたが)血管炎症候群とは血管壁に炎症をきたし、多種多様な病態を呈する病気の総称です。この発症機序に関しては不明の点が多く、そのため診断に苦慮する事が多く、また悪い転帰を辿る人が依然として多いやっかいな病気です。(早期の診断・早期の治療がうたわれていますが)、血管炎症候群は大型血管炎(大安動脈炎・巨細胞性動脈炎(旧側頭動脈炎)、中型血管炎(結節性多発動脈炎・川崎病))、小型血管炎(ANCA関連血管炎とも呼ばれ、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGVA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)がある)にわけられます。病名をみると、覚えのあるものが少々でてきたかもしれませんが、いずれにしても希少な疾患であり、指定難病とされているものが多いです。現在は発症される人が大型血管炎から小型血管炎(ANCA関連血管炎)の方にシフトしているみたいです。臥床症状としては大型〜小型にしろ発熱、頭痛、関節痛、全身けんたい感、体重減少など非特異的な症状を初期には主訴として医療機関を受診される事が多いようです。診断は病変部の病理学的な生検による診断が確実であり、血液検査には一部(ANCAなど)を除いて特異的なものはありません。画像検査は診断に寄与します。特にCT、MRI、血管内超音波検査、そして医療保険の適応にはなっていませんがPET-CTが最近注目されています。ということが総論ですが、先述した最近ややシフトして増加しているのではないかといわれているANCA関連血管炎についてその症状のさわりを説明します。ANCA関連血管炎はEGPA、GPA、MPAともほぼ共通して認められる症状は血管炎による症状で、それには38℃以上の2週間以上続く発熱、体重減少(6ヶ月以内に6kg以上)多発性の関節痛、筋肉痛(筋力低下)、多発性の神経痛(炎)、皮膚症状(紫斑など)があります。それに加えてEGPAでは気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎の経過中に血液中の好酸球の増加が顕著になれば疑います。GPAは鼻部の疼痛、眼痛・視力低下、中耳炎・聴力低下・血尿・咳嗽があれば疑い考えます。MPAは高齢の人が初めて血尿・蛋白尿などの腎炎を発症され、肺出血などをおこされた時に疑います。したがってこれらの症状などが出現したり続く場合は早期に医療機関を受診する事が大切です。これらの症状を呈する疾患はその他にも色々ありそられとの鑑別もしなといけません。もしANCA関連血管炎であれば先述したように早期診断・早期治療が予後の上からも必要です。血管炎症候群は希少な病患ですが、やっかいで恐ろしい病気です。知っておいてください。

 

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