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白衣高血圧とは

冒頭にあげた白衣高血圧という言葉は、現在多くの人が知っておられ、またその意味するところもわかっておられることが多いため、あえてWebで説明してきませんでした。しかし高血圧を指摘され、初診でこられる人を診察していると意外とこの意味するところを知らないあるいは理解されていない人が多いことを認識させられました。したがって今回白衣高血圧について説明します。診察室で測定した血圧と家庭血圧計などで測定した診察室以外の日常生活時の血圧の値は必ずしも一致しません。前者の血圧が高血圧(140/90mmHg以上)であっても、後者の血圧が非高血圧(135mmHg/85未満)を示す状態を白衣高血圧と診断します。白衣高血圧という言葉は、本来未治療の患者さんにおいて使用されるべきとされています。治療中の患者さんで同様の状態を示す場合は白衣現象と我々医師は説明しています。この白衣現象は診察室でのストレスによる血圧上昇によるものが多いとされており、白衣現象の強さ(白衣効果)は診察室血圧から診察室外の血圧を引いて算出します。白衣高血圧は診察室での血圧で140/90mmHg以上を示し、高血圧と診断された人の15〜30%がこれに相当し、その割合は高齢の人で増加します。白衣高血圧は診察室外での血圧も高血圧を示す持続性高血圧の人と比較した場合、臓器障害は軽く、脳心管病予後も良好であるとの報告は多いですが、これに関してはいまだ議論のあるところです。一方診察室血圧が140/90mmHg未満で診察室外血圧(家庭血圧)も135mmHg/85未満を示す非高血圧の人と白衣高血圧の人を比較すると将来的な脳心管病発症のリスクが白衣高血圧の人では高いことが明らかであり、また持続性高血圧へ移行することも高いとされており注意深い経過観察がその人においては必要とされています。したがって白衣高血圧と診断された人は家庭血圧を測定し変動が強いあるいは上昇傾向にある場合は我々医療機関へ受診し、相談あるいは説明してもらうことを推奨します。

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