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高血圧 リスクによる加療時期は?

高血圧の治療(管理)の目標「高血圧の人の脳心血管病の発症を防ぎ、正常血圧の人と変わらない(高血圧による合併症のない)生涯を過ごしていただくこと」は今までで何度か記載しました。そのためには多くの人が考えられている血圧レベルよりも低い値でその人の血圧レベル以外の脳心管病の危険因子を考慮して対応していただく必要があります。今回はそのことに関して説明します。血圧レベル以外の脳心血病の危険因子を考慮して対処していただく必要があります。今回はそのことに関して説明します。血圧レベル以外の脳心血病の危険因子(リスク)は脳心血管病の既往、心房細動(リウマチ性を除く)、糖尿病、蛋白尿のある慢性腎臓病(CKD)、高齢(65歳以上)、男性、喫煙、脂質異常症などがあり、心筋梗塞の既往を含めこれらは生命予後に対する影響因子でもあります。したがってこれらのリスクを勘案して高血圧を管理する必要がありあす。一般的に血圧は115/75mmHg以上より動脈硬化は進行するともいわれています。しかたがって上記のリスクを層別化しそれに基づいて血圧を管理します。リスクの層別化は3層になります。リスク第一層は上記の生命予後の影響因子がない。リスク第二層は年齢(65歳以上)男性、脂質異常症、喫煙のいずれかがある場合、リスク第三層は脳心血管病の既応、心房細動(非リウマチ性)、糖尿病、尿蛋白のあるCKDまたは第二層の危険因子が3つ以上ある場合となります。リスク第一層の場合、高値血圧(130〜139/80〜89mmHg)T度高血圧(140〜159/90〜99mmHg)は低リスクとなり、U度高血圧(160〜179/100〜109mmHg)は中等リスク、V度高血圧(≧180/≧110mmHg)は高リスクとなります。リスク第二層では高値血圧・T度高血圧は中等リスク、U度高血圧・V度高血圧は高リスクとなります。リスク第三層では高値血圧〜V度高血圧はいづれも高リスクとなります。上記をもちいると診察室(外来)血圧が初診時に正常血圧(<120/80mmHg)の人は、適切な生活習慣(食事・適正体重の維持・運動・節酒・禁煙)を維持していただき、1年後に再度評価します。正常高値血圧(120〜129/<80mmHg)の人は改められる生活習慣があればそれを修正していただき3〜6カ月後に再評価します。高値血圧で低あるいは中等リスクの人は抗圧薬の服薬はしていただきませんが、生活習慣の修正をしていただき約3ヶ月後に再評価します。
そしてそれによる降圧が不充分な場合、あてはまる生活習慣の修正のさらなる強化が必要です。
高値血圧で高リスクの人また高血圧で低・中等リスクの人は生活習慣の修正(降圧薬の服薬はない)をしていただき約1ヶ月後に再評価します。そして十分な降圧がない場合生活習慣の修正の強化と服薬を開始していただくことが必要となります。高血圧で高リスクの人は生活習慣の修正と同時に服薬をただちに開始していただく必要があります。これは高血圧の管理の目標を達成するためには必要で重要なことになります。当院に初診でこれらる人には検診などで高血圧値を指摘され、自覚をもってこられる人と、何度か指摘されてもまだ若いから大丈夫あるいは服薬したくないなどの理由でしかたなく来院さえる人など様々です。しかし高血圧を放置し、脳心血管病の発症が幸いおこることなく過ぎ晩年になって加療されても、適正な時期に加療をされた人とくらべると、その加療の遅れによる動脈硬化など脳心管病のリスクの差は狭まることはありません。したがって血圧高値を認識されたらとりあえず受信して下さい。上記に記したことを覚えられる必要はありません。
しっかりと説明した上で、生活習慣の修正・服薬が必要かどうか説明します。
血圧は漠然と思われているより低いレベルで管理する必要があり、それが生命予後に密接につながりますよということです。ご承知下さい。

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