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高血圧の治療休止は可能か?

当院は専門が循環器(心臓病)なため、高血圧、不整脈、心不全症、弁膜症などの心臓病や、動脈硬化から心血管病を発症するリスクのある糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などを患われた人が多く受診されます。その中には若い人も多くおられます。高血圧(本能性)を患われている若い人から以前より薬の服用を始めると一生服用しないといけないのか、あるいは服用をやめることはいつできるのかという質問をよくうけます。これに関して再度説明します。
高血圧は動脈硬化などより脳心血管病(脳卒中、心筋梗塞)を惹起する最大のリスク因子です。糖尿病、脂質異常症などを高血圧と伴に患われていると、上記の発症リスクはさらに高まります。したがって降圧薬を服用されている人は、適性な生活習慣(以前のWebで何度か説明している)の継続と伴に、至摘な血圧レベルを目指されることおよびそれを継続されることが動脈硬化の進行からの心血管病発症予防には非常に重要です。血圧レベルでは降圧薬の服用によって少なくとも1年以上血圧が正常化した場合であっても、減量もしくは中止すると、通常6ヶ月以内に血圧が服用前の高血圧のレベルまで再上昇することが多いのです。休薬により正常の血圧が維持できた人は報告によって異なりますが、数%との報告があります。休薬により正常の血圧を維持できた人の特徴は、服用前の血圧が1度の高血圧(140〜159かつ/または90〜99mmHg)、若年層、正常体重、塩分摂取量が少ない、飲酒しない、1剤のみ服用している、臓器障害がない、などとされています。したがって上記すべての場合以外の人は休薬は推奨できません。もちろん血圧には季節変動があり、夏季に血圧が低下する人では、一時降圧薬の減量などは考慮できます。逆に冬季には血圧が上昇して降圧薬の増量が必要になることも少なくありません。以上高血圧の治療は目先のことではなく、心血管病の罹患などにより要介護などの状態になることはなく、健康寿命を長く保つことなのです。御理解を御願いします。

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