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家庭血圧、診察室血圧 どちらを指標とした高血圧の治療が有用か?

家庭血圧(診療室血圧より5mmHg低い)は診察室血圧より信頼性・再現性が高く、脳心血管病ならびに標的臓器障害との関連が強いことは多くの研究で報告されています。したがって、高血圧の人の場合、診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先することが高血圧の治療ガイドラインでは明記されています。この見解の根拠を明確にするには家庭血圧を指標とした降圧の治療が、診察室血圧に基づく治療にくらべ、降圧の治療を受ける人の生命予後などの改善になることが示される必要があります。そのために@24時間の自由行動下血圧の平均値の低下A脳心管病発症率及び死亡率の低下が両者による降圧で優位な差があるのかが検討されました。@に関しては家庭血圧を指標として降圧を受けた人は、診察室血圧を指標として降圧を受けた人とくらべ、自由行動下血圧の平均値が収縮期血圧で3.64mmHg、拡張期血圧で2.16mmHgと大きく低下したことが複数の研究を統合して解析した報告で示されました。それ以外の研究でも同様な低下報告がされています。このことは家庭血圧を指標とした降圧の治療が診察室血圧を指標とした治療にくらべ24時間の自由行動下血圧の平均値の低下に有用であることが考えられます。一方Aに関する脳心管病発症率・死亡率の低下を研究の成果として示されたものはありません。したがって家庭血圧を指標とした降圧の治療が、診察室血圧を指標とした降圧の治療とくらべ、脳心血管病発症率・死亡率の低下をもたらすかを直接示した研究は存在しません、しかし前記の自由行動下の血圧の平均値の低下を研究した複数の報告の解析で得られた家庭血圧と診察室血圧を指標とした降圧の差である収縮期血圧3.64mmHg、拡張期血圧2.16mmHgは、アジア人における24時間の自由行動下血圧の平均値を用いた研究の解析からは、それぞれ脳心管病発症リスクが16.6%、16.2%低下することと関連することが示唆されます。また、わが国の本態性高血圧の人を対象として実施された研究では降圧治療中の家庭血圧は診察室血圧にくらべ脳心血管病発症・死亡のリスクと関連が強いことが報告されています。このことから家庭血圧を指標として降圧の目標の達成を目指した治療は、診察室血圧を指標として降圧を目指した治療とくらべ、脳心管病発症率・死亡率低下にも有用である可能性が示唆されるのです。以上、上記より、高血圧の人では@、Aの解析・検討で家庭血圧を指標とした降圧の治療が強く推奨されることになります。
高血圧で治療を受けておられる人、家庭血圧の測定は重要です。われわれ医師が治療する時に、非常に参考となり治療の指標となります。高血圧の人、自身の生命予後に有用です。測定を御願いします。