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お知らせ
熱中症
酷暑がやってきましたね。最近は尋常な暑さではなく、熱中症対策が重要ですね。
今年(2025年)6月1日から厚生労働省が職場における熱中症対策を強化するため、労働安全衛生規制を改正し施行しました。要は熱中症対策が事業者に対して義務化されたわけです。詳細は記載しませんが、勤務する人も知っておかれたらと思います。今回は、その熱中症に対して記載致します。
熱中症とは暑熱環境における身体の適応の障害によっておこる状態の総称のことをいいます。その病態は「熱そのものによる暑熱障害」と水分摂取不足や発汗過多による「脱水」に大別されます。この「暑熱障害」と「脱水」は体内の細胞死や損傷をおこし重症になると全身の血管の内部に血栓ができて詰まったり、出血しやすくなったりする播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症して、多臓器不全状態に至ります。
熱中症の診断基準は「暑熱環境に居る、あるいは居た後」の症状として、めまい、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、けいれん、せん妄、小脳失調、高体温等の諸症状を呈するもので、感染症等の他の原因疾患を除外したものとすることです。熱中症を疫学的にみると、その発症数は年齢区分別では高齢者(65才以上)が最も多く、次いで成人(18才以上65才未満)、少年(7才以上18才未満)、乳幼児(生後28日以上7才未満)の順となっています。また発生場所別では住居(居宅で適切な冷房や換気をおこなわず暑熱環境に長時間曝露されて発生する非労作性熱中症)が最も多く、ついで道路・公衆(屋外)、仕事場(道路工事現場、工場、作業所等)・(労作性熱中症)の順となっています。熱中症はその重症度分類が2024年よりI〜IV度と変更になりました(それまではI〜III度(2015年〜2023年))。
重症度分類を以下に記載します。
| 重症度 | 症状 | 治療 |
|---|---|---|
| I 度 |
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗 筋肉痛、筋肉の硬直 (こむら返り) 意識障害は認めない |
通常は現場で対応可能。 クーラーや日陰の涼しい室内で休憩(冷所での安静)し、水分・電解質の補給で軽快するが改善しない場合は深部体温を測定し、何らかの方応で熱中症の人の身体を冷却する。 |
| II 度 |
頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下 | 医療機関での診察が必要。冷所での安静 体温管理、十分な水分と電解質補給(経口摂取が困難なときは点滴にて) |
| III 度 |
深部体温 39.9℃ 以上 中枢神経症状(意識障害、小脳症状、けいれん発作) 肝臓・腎臓の機能障害(入院での経過の観察・入院での治療が必要な程度の肝臓または腎臓の障害) 血液の凝固障害(DIC) 上記の3つのうちどれかを含む |
入院治療の上、体温の管理、体内の冷却、血管内の冷却を何らかの方法で熱中症の人に対して集学的におこなう。 (たとえば冷水・浸水・アイスプール・常散冷却(常温の水を体にスプレーし送風する)、胃洗浄、膀胱洗浄、局所の冷却など) |
| IV 度 |
深部体温 40.0℃ 以上 かつ GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)≤8 (8点以下は重症、意識障害の程度を評価する指標) あるいは表面体温40.0℃(もしくは皮フに明らかな熱感がある)+ GCS ≤8(この場合も早急に深部体温を測定し判断する) |
早急に身体の冷却をはかるための集学的治療を入院の上おこなう 呼吸・循環管理、DICの治療 |
むつかしくなりましたが、大切なことは熱中症は予防可能な疾患であり、その発症を予防することです。
具体的には、熱中症を発症しやすい環境をつくらないように、 高齢者に対するクーラーの使用や学生や労働者に対する炎天下での運動・作業の中止を指導し、熱中症の発症しやすい環境をつくらないことです。
また脱水症の予防として、塩分、水分摂取をすることで、スポーツドリンクや経口補水液が推奨されます。
以上、今回は熱中症に対して記載しました。
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