お知らせ

「最近内科医は聴診器は使わないの?」

近頃、よく患者さんから聞く言葉です。最初はうそだろ、と思いましたが、どうもその傾向があるようです。CT、MRI、エコー、血液検査などが日々進歩し、これらのいわゆる医療でのコンピューターを使えば診断できるという考えがあるのだと考えますが、残念な事です。私達内科医(特に循環器、呼吸器など)は心臓の音を聞き、その異常から、弁膜症、心不全、不整脈などを疑いあるいは診断し、肺の音を聞き基施となる病気、おこっている病態を推測します。たとえば以前、いつも受診している患者さんが食欲がない、体がだるいとの事で受診されました。その他には症状は訴えられません。顔色も少し悪いなど感じつつ聴診すると肺にかすかな異常な音が聞こえました。胸部のX線写真をいそいでとってみるとやはり肺炎をおこされており入院していただきました。聴診していないと、何かの原因でつかれられたのかな?不眠かなと思いビタミン剤などをおだししてもおかしくない事です。また、この2ヶ月の間に、患者さんの訴え、聴診で2名の高血圧、弁膜症からの心不全の方も診断し、入院してもらうことなく、治療により元気になっていただき、現在通院してもらっています。そして、聴診だけでなく、触診、視診でも推測できる病態はいくつもあります。患者さんのためには昔も今も必須な診察だと考えます。

お知らせの一覧を見る