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「COPD」とは何でしょうか

COPDとは、以前は肺気腫や慢性気管支炎といわれていた、慢性閉塞性肺疾患という、肺の慢性の炎症性疾患の事です。現在日本ではそれにより死亡される方やなられる方が増加している病気です。

COPDの最大の発症原因はタバコの煙といわれています。現在日本には約530万人の方がCOPDになられていると推定されていますが、医療機関を受診される方はその10〜20分の1といわれています、(症状の軽い方が加齢によるせいなどと考えられ受診されない事が多いようです。)COPDは長期間の喫煙禁があり慢性の咳、喀痰、労作された時の呼吸困難が主な症状とされています、症状の重症度は私達医師の質問によってわかります。また診断は当院でもおこる肺の機能検査で簡単にできます。

治療に関してはCOPDを治す事は出来ませんが、最近いろいろといい薬ができており、日常生活の改善や病気の悪化や機能の低下の予防などののために使用していますが、詳しくは症状とのかねあいに寄りますので来院されて診察してからということになります。COPDの大きな問題は、その多彩な併存する病気と肺癌の合併ということになります。併存症としては@栄養障害(軽症・中等症患者さんの30%、最重症患者さんでは約60%に体重減少が認められます。主に除脂肪体重の減少がおこります。)A骨粗しょう症(約35%の方が骨密度が低下されていると報告されています。)B骨格筋の機能障害(加齢に加えて病気自体あるいは栄養障害に伴うものが考えられています)C心血管疾患(虚血性心疾の合併率が高くなり、心不全も安定期のCOPD患者さんの約30%に認められるとされています。また動脈硬化や不整脈の危険因子である事も報告されています)D代謝疾患(糖尿病の発症がCOPDでない方に対して、約1.5倍高くなるとの報告がみられます。また半数近いCOPD患者さんは、複数のメタボの要素を持っている事も指摘されています)E消化器疾患(消化性の潰瘍が20〜40%合併するといわれています。また胃液が食道にあがる事によってさまざまな症状をおこす、胃食道逆流(GEKD)を合併する事もあり、ピロリ菌の感染の高い事も認められています)F抑うつ(COPDの進行に伴う呼吸困難や日常生活の制限、さらに社会的な孤立感などにより高率に不安や抑うつなどの神経症状をきたすといわれており、急性の憎悪や死亡との関連も報告されています)。COPDは@〜Fさらにはもっとあると思われる。依存症の存在を知っていただく事が、病気の重要性を考えるうえで大切な事だと思います。

またさらにおおきな問題であるのが肺癌の合併です、COPDは肺癌の合併の極めて高い危険因子であり、悪性度の高い組織型の発生頻度が高い事が知られています。また肺癌の進行した方、高齢の方や低い心臓や肺の機能のため、充分な治療がうけられない事が多く予後が不良な事も事実です。(肺癌の予防も確立されてはいません)今まで記載したようにCOPDはこわい病気であり、禁煙を継続すると伴に、前述した症状(すべての症状があるわけではない事は承知しておいて下さい)が少しでもある方は早めに来院して下さい。

 

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