お知らせ

動悸を感じられた方へ

動悸がしたと来院される方をしばしば見受けます。大切な心臓に何か異常がおこったのではないかと不安に思われて受診されたのだとよくわかります。このような方にまずしていただきたいのは、自分の脈の取り方を知っていただく事です。(わかれなければ医師など医療関係者なら誰でも知っていますので教えてもらって下さい。)それができたら自分の脈が普段規則正しく打っているかどうか、打っていたら動悸を感じた時、それがどうなっているのかを観察して下さい。たとえば①時々、脈と脈の間隔が長がくなったり、短くなる。②脈と脈が不規則(みだれる)な間隔で打っている。③脈が普段感じるよりかなり速く打っている(あるいは速くて数えられない)などです。それを私達医師に伝えて下さい。①の場合は、心臓が次に打つと予想されるよりも速く打つ期外収縮という不整脈がおこっている事が多いようです。この場合、高血圧症、心筋梗塞などをおこされたあとの心臓に病気をお持ちの方におきることはもちろんありますが、検査(心電図、心エコーなど)で心臓に異常がないといわれた方におきる事が多くあります。したがって心臓に器質的に異常がないと思われる期外収縮に対しては、私達循環器医はそのまま様子をみていただいても重篤な事が起きる事はまずないと考えます。

また期外収縮は不眠、ストレス、過度の飲酒、不摂生な生活などでも生じますので、もしそれらがあればそちらを是正して下さい。そして期外収縮に対しては通常薬を使用した治療はいたしません。ただし自覚症状がかなり強い方は、例外的に治療をする事はあります。(たとえば頻回に出現し、日常生活が普段通りに過ごせない場合など)心臓に病気をお持ちの方はその状態を診察してから、多くの場合、その病気に対する治療を先に行う事が多いと思います。

②、③の場合は、お薬などをもちいた治療をする不整脈が生じている可能性も高いと考えられますので、早めに受診して下さい。

①、②、③以外にも動悸という症状を起こす病態はありますが、患者さん全体から見ると、①の方が多いようです。したがって過度な不安を持たれずに気軽に御相談下さい。

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