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「かくれ脳梗塞」のこわさを知っていますか?

表題の前に、脳梗塞にはどんなものがあるのか説明しましょう、@アテローム血栓性脳梗塞Aラクナ梗塞B心原性脳梗塞、大きく分けてこの3つの病態がいわれています。@は比較的頭部あるいは頸部(首)の血流の豊富な血管に動脈硬化がおこり突然血液が流れなくなったり、あるいは非常に少量の血液しか流れないため大切な頭に異常をおこし、その結果手足のマヒ、意識の障害などをおこすものです。Bは、心臓の病気が原因となって、心臓の中に血のかたまり(血栓)が生じ、心臓が血液を送る時にその血栓が運悪く頭に流れている血管につまり、その結果多くの場合命にかかわる事もある非常にに重篤な状態をおこします。Bが表題の「かくれ脳梗塞」(無症候性脳梗ともいわれます)と一般の方にわかりやすくいわれる梗塞です。かくれ脳梗塞は、脳の奥深くにある穿通刺動脈といわれる細い血管の閉塞により生じます。脳の画像では3〜15mmぐらいの大きさの病巣を写します。そのため症状がでない事が多いのです。現在@、A、Bの梗塞の中では@についで多くみられるといわれています。しかしこの梗塞は、気にとめなくてよい、あるいは無視できるものではけっしてありません。なぜならそれがあると、さきほど記載した@などの症状のでる梗塞を発症しやすくなり、肺炎などとを合併し、死亡のリスクを高める事がわかっています。
さらに認知症の発症の危険も高くなり、また脳出血の発症のリスクになる事も報告されています。

それではかくれ脳梗塞がある方はどうすればよいのでしょうか。それは梗塞発症の最大の危険となる血圧をコントロールする事です。(例えば上の血圧を130mmHg以下ぐらいにする事です)、それによって梗塞を治す事はできませんが発症を抑制する傾向が認められ梗塞を抑制する事ができるといわれています。また喫煙、コレステロール高値の改善、メタボ体質の方はその改善、などをおこなう事も重要です。しかしこの梗塞に対して薬を服用する事はその発症を抑制するかどうか、あるいは薬を服用す事による副作用の出現に対して多くの報告があり、私達医師の指導のもとでの慎重な服用が望まれます。要はこの梗塞に対してけっして無関心(気にとめない)ではなくまた逆に強く不安に思うことなく私達医師の勤め、また自分のできる範囲で発症の危険となる病態を充分に管理して下さい。わからない事はいつでもご相談にのります。

 

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