お知らせ

ピロリ菌を除菌する事で、治療が終わりと思っている方へ

当院、あるいは検診、人間ドックなどで胃の中にピロリ菌がいますよといわれ、おもに胃癌の発生予防のために除菌を希望して受診される方が多くみられます。

事実60代以降の方の60〜70%はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染があるといわれています。確かにピロリ菌の感染は胃癌の確実な発生リスクとなります。
(食事の際に塩づけの物を頻繁に摂取する事もそうですが)

ピロリ菌が胃の粘膜に生息することにより、粘膜に炎症をおこし、長い時間の経過とともに、粘膜上皮の萎縮が生じ、その結果、腸上皮化生といわれる慢性胃炎の特に程度の強い状態になり、胃癌の発生母地になるのです。そのためピロリ菌を胃から除き(除菌)、その発生を少くしようとするのが除菌の目的なのです。具体的な方法としては、薬を3種類、1週間服用していただく事になります。(それで除菌できなかった場合は、薬を変更してさらに1週間服用していただく事になりますが)それによりほぼ95%以上でピロリ菌が除菌できるといわれています。

しかし胃癌の予防は、これで終わりという事ではありません。
(若年者で胃の粘膜の萎縮や腸上皮化生の進んでいない方は別にして)
ピロリ菌の感染率の高い高齢者の方は、除菌により胃癌の発生が少くなる事は事実ですが、除菌時すでに粘膜の萎縮が強い方がたくさんおられます。すなわち胃癌の発生母地はすでにできているのです。したがって除菌したから胃癌が発生しないという事ではけっしてありません。

そのため胃カメラ検査時などに上記のような事を指摘された方は、その後も胃癌の発生がおこりうる事を承知していただいて、定期的(およそ1年に1回)に胃カメラ検査などで検診を続けて下さいという事になります。

 

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